以前に大阪市内某所でセミナー講師を務めさせていただきました。

 

そのセミナーにお越しいただいたお客様で、個別相談のご依頼を受けましたので神戸市内にある事務所にお邪魔しました。

 

ご相談の内容は、従業員の退職金の積立に関する事でした。現在は養老保険を使って半分を福利厚生費にて損金計上をする所謂「ハーフタックスプラン」を採用しているとのこと。引受保険会社は2社で1社は外資系・もう1社は日本社でした。

 

従業員数は35名で、従業員の離職率は、退職する社員は入社3年内が多く、それ以外は10年以上続く社員さんが多いとの事・・・ 私は企業業績と今後の業績見通しについて質問をさせていただきました。

 

従業員の退職金の積立を実施している企業だけあって、いままで創業以来赤字になったことはなく、それが社長の自慢でもありましたし、今後についても特殊な技術をもっており、今後も順調に推移していくことが見込まれているご様子でした。

 

3年内に退職された従業員さんの養老保険はどう処理をされてますか?と尋ねると60歳満了で早期の払済処理だと満期まで置いても元本を超えないので解約処理しておられるとの事でした。 また外貨建養老に関しては、為替リスクをもろに受けるので返戻率以上の為替リスクを痛感したとか・・・ 私は、社長の横に座っている財務担当者に 「あー、ということは財務担当のNさんがようやく気づいたんですね?」と切り込んだ。

 

要するに、元本割れの状態でその解約金の一部が雑収入として、通常の利益に上乗せされるわけですから、そこで損出しとなり、結果的に保険積立などせずに毎期税金払ったほうが得だったということです。

 

私はNさんに「退職金規定はありますか?」と尋ね、退職金規定を見せていただきました。そこには「養老保険から支払われる遺族への保険金は退職金の一部・または全額である・・・」との文言がありました。これは相続税基本通達3-17への対抗策です。

 

「遺族にはこの保険金は退職金にならず、固有の財産です」という過去の判例を踏まえた対策ですが、唯一気をつけないといけないのは、以前この文言が原因で福利厚生プランの半分の損金算入が否認されている事例がある事です。 つまりハーフタックスの死亡保険金が退職金として処理されるなら、法人が払う退職金という意味でしょ?じゃあこの保険の経理処理は全額資産計上されるべきであるという見解です。

 

福利厚生プランの適用要件は非常に厳しいんですよ・・・という話の流れで、私が社長に提案したのは、「保険は長くかけるほど有利になります、であれば継続率の読めない従業員に毎期毎期入れ替え処理していくより、社長をはじめとする役員さんに積立を兼ねた役員保険を充実させ、退職金は極力その期の利益の中で支払っていく、キャッシュが不足するときのみ、この役員保険を一部減額する・・・御社の従業員数ならこのほうがメリットは出ますよ!」という内容で、後日成約に至りました。

 

役員に高額な保障がある・・・これってすごく大切なんですよ!

 

じゃあ、次回の面談はここについて詳しくお話ししますね・・・ 次回のアポイントの日程を決めて、その日の面談は終了しました。